民泊とは?

民泊とは旅行者が一般の民家に宿泊することを指し、民宿やゲストハウスとは意味が異なります。また、民泊を利用する人が増える一方で、トラブルも出てくるようになり不安に思っている人も多いと思います。
そこで、この記事では民泊の意味と定義、関連する3つの法律、トラブル事例と対策について解説していきます。これから民泊を始めようとする方は、まず民泊の種類によって適用される法律が異なることを知りましょう。すでに民泊をやっている方や利用する予定のある方は、トラブルの事例を知って事前に対策をするようにしましょう。



民泊とは?

民泊に法令上の明確な定義はありません。
簡単にいえばホテルや旅館ではなく個人宅に泊めてもらうことを民泊といいます。しかし、現在はこれにビジネス的な要素が加わって、自分の所有する家の空き部屋や投資用マンションを、有償で旅行者に貸し出すのを民泊というのが一般的になっています。

民泊が登場した背景

民泊が登場した背景や注目されるようになった理由として、訪日外国人の増加・空き家を活用しての地方創生・シェアリングエコノミーの発達などが大きく影響しています。

増加する訪日外国人

近年、訪日外国人は増加する一方で、2018年には3000万人を突破しました。
政府は観光立国を目指しており、目標の訪日外国人数を東京オリンピックの行われる2020年には4000万人、2030年には6000万人としています。

そうなると課題になるのは、増加する訪日外国人を受け入れる宿泊施設の整備です。既存の宿泊施設だけでは収容しきれません。
ホテルは用地の取得や建物が出来上がるまでに時間がかかるため、目の前の需要を満たすための宿泊施設が必要になります。そこで、既存民家やマンションなどを利用する民泊にその受け皿となることが期待されているのです。

また、民泊は訪日外国人の多種多様な要望を満たす役割も担っています。訪日外国人の中には、現地の人たちのふれあいや交流を希望する人もいます。確かにホテルなら快適な宿泊が可能ですが、現地の人たちとコミュニケーションを図ることはできません。この点民泊なら現地の人たちと深く交流することができます。
そのうえ民泊は価格帯が幅広く、安いところなら数千円での宿泊が可能です。値段の安さを基準に宿泊施設を選ぶ訪日外国人の要望も民泊は満たしています。

空き家を活用しての地方創生

人口減少によって空き家が増えて社会問題化しています。総務省の発表によりますと、2018年10月時点での国内の住宅総数に占める空き家の割合は、13.6パーセントで過去最高になりました。戸数も過去最高の846万戸になりました。

民泊はこのような空き家対策としても期待が寄せられているのです。空き家を宿泊施設として改装し、外国人を呼びこむことにより観光収入が期待でき、地方創生・地域活性化が可能になります。

家屋は使わないと傷みますが、民泊として利用されることで空き家が不動産としての価値を保ち続けることもでき一石二鳥です。

シェアリングエコノミーの活用

シェアリングエコノミーとは、個人の遊休資産を他人に貸し出してその対価を受け取ることをいいます。
資産は車、住居などの有形物のほか無形物も含まれます。

近年モノを購入するのではなく、必要なときに借りればいいという考え方の人が増えてきました。
民泊は、まさにこのシェアリングエコノミーの一形態にあたります。

遊休中の個人が所有する住宅やマンションを他人に貸し出し、利益を受けることができます。また、利用者は宿泊施設として利用することができますので、双方にメリットがあるのです。

民宿やゲストハウスとの違い

まず簡単に旅館業法の説明をします。旅館業法では、宿泊施設としてホテル・旅館営業、簡易宿所営業、下宿営業の3種類を定めています。

民宿は旅館業法で定められておらず、明確な定義がありません。経営者は農業や牧場経営など他に本業をもっていて、副業で民宿を経営していることも多いようです。個人経営の場合も多く、知り合いや親戚の家に宿泊しているかのようなアットホームさを感じられることもあります。

また、近年増えてきたゲストハウスも旅館業法で明確に定義が定められているわけではありません。ゲストハウスの多くはドミトリーという形式をとり、カプセルホテルに近い形態で運営されています。ドミトリーとは、簡単に言うと相部屋のことです。1部屋に複数のベッドや寝具が用意され、それ以外のシャワーやトイレ、キッチンなどは共用で利用します。ベッドは2段ベッドであることも多く、男女混合の部屋であったりすることもあります。相部屋なので、同室になった人と交流が生まれることもあります。

両者の共通点は、メリットとしてはホテルなどに比べると料金が安いこと、デメリットとしてはアメニティーが少ないもしくは用意されていないことなどです。
相違点としては、民宿は1室を借りるため1名で利用できることが多く、対してゲストハウスは1名で利用できるところもありますが、相部屋であることがほとんどという点が挙げられます。

旅館業法の定める簡易宿営業は、要件として客室の延床面積は33平方メートル以上であること(10人未満の場合は1人あたり3.3平方メートル以上)、入浴設備や洗面設備、適度な数のトイレがあることが定められています。

そうすると民宿やゲストハウスは、旅館業法の定める簡易宿所営業にあたることが多いといえます。

民泊に関わる 3 つの法律

民泊を利益は関係なく個人的な国際交流の一つとしてやるのか、本業は別にありサイドビジネスとしてやるのか、その運用形態によって適用される法律は異なります。
民泊を経営するために関係してくる法律は全部で3種類です。

旅館業法簡易宿所営業

旅館業法によれば、旅館業とは、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されています。
これを分かりやすくいうと、反復継続して不特定多数者に宿泊料の対価として、宿泊施設を提供することになります。

そのため、たとえ個人であっても、自分の自宅の一部や投資用マンションを反復継続して宿泊施設として提供するのであれば、後述する住宅宿泊事業法(民泊新法)、特区民泊の制度の届出・認定を取らない限り違法となります。

特区民泊

特区民泊とは、国家戦略特別区域法に基づく旅館業法の特例制度を活用した民泊のことです。
国家戦略特別区域は国家戦略特区と略され、地域や分野を限定し大胆な規制緩和を行い、世界で一番ビジネスをしやすい環境を作ることを目的にして指定された経済特区です。

この特区に指定されると、旅館業法の適用を受けなくなり各自治体が条例によって民泊の要件を定めることができます。

2018年時点で、東京都大田区、大阪府、大阪市、北九州市、新潟市、千葉市にて特区民泊の制度を活用した民泊施設があります。

住宅宿泊事業法(民泊新法)

前述の簡易宿所営業を民泊に適用することは、旅館業法が1948年に施行されたものであるため、現在の社会状況に合わない面がありました。

また特区民泊は、適用される地域が限定されているため、増え続ける宿泊施設の需要に応えることが難しい面もあります。
民泊新法が施行されるまで、一般の住宅の貸し出しについて定めた法律がなかったため、近隣とのトラブルが増加し、これを解決するのが急務でした。

その一方で、訪日外国人の宿泊施設の問題も解消しなければなりませんでした。
そのような背景をもとに制定されたのが、住宅宿泊事業法(民泊新法)です。

住宅宿泊事業法(民泊新法)の適用対象は次の3つです。
・ 住宅宿泊事業者 … 住宅を宿泊施設として貸し出しをする者です。
・ 住宅宿泊管理業者 … 民泊運営代行会社のことです。
・ 住宅宿泊仲介業者 … インターネット上のサイトを介して民泊の仲介事業を行う運営者です。

【比較表】3つの民泊法規制まとめ

観光庁ホームページより (http://www.mlit.go.jp/kankocho/minpaku/overview/minpaku/index.html)

  旅館業法(簡易宿所)国家戦略特区法(特区民泊) 住宅宿泊事業法
所管省庁 厚生労働省 内閣府(厚生労働省) 国土交通省・厚生労働省・観光庁
許認可等許可認定届出
住専地域での営業 不可 可能(認定を行う自治体ごとに、制限している場合あり)可能(条例により制限されている場合あり)
営業日数の制限制限なし2泊3日以上の滞在が条件(下限日数は条例により定めるが、年間営業日数の上限は設けていない)年間提供日数180日以内(条例で実施期間の制限が可能) 
宿泊者名簿の作成・保存義務 あり ありあり
玄関帳場の設置義務(構造基準)なしなしなし
最低床面積、最低床面積(3.3㎡/人)の確保最低床面積あり(33㎡。ただし、宿泊者数10人未満の場合は、3.3㎡/人)原則25㎡以上/室最低床面積(3.3㎡/人)
衛生措置換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置換気、採光、照明、防湿、清潔等の措置、使用の開始時に清潔な居室の提供換気、除湿、清潔等の措置、定期的な清掃等
非常用照明等の安全確保の措置義務 あり あり 
6泊7日以上の滞在期間の施設の場合は不要 
あり 
家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要 
消防用設置等の設置ありありあり 
家主同居で宿泊室の面積が小さい場合は不要
近隣住民とのトラブル防止措置不要必要(近隣住民への適切な説明、苦情及び問合せに適切に対応するための体制及び周知方法、その連絡先の確保)必要(宿泊者への説明義務、苦情対応の義務)
不在時の管理業者への委託義務規定なし規定なし規定あり


特区民泊でない場合は、許認可等の要件が届出済み手続きの簡単な住宅宿泊事業法(民泊新法)によって民泊をやるのがいいでしょう。

しかし、住宅宿泊事業法(民泊新法)の場合は、年間提供日数が180日以内という制限が設けられています。
さらに条例で実施期間の制限が可能なため、自治体によっては民泊をやることが非常に困難になっている地域があります。

そういう地域で民泊をやるには、旅館業法が定める簡易宿所によるしかありません。この場合は営業日数の制限がないのがメリットです。しかし許認可要件は認可となり手続きは難しくなります。

民泊をめぐるトラブル事例と対策

法によって整備された民泊ですが、トラブルも増えているのが現実です。
ここでは、民泊利用者が経験したトラブルの一例をあげ、その対策法を解説します。

民泊利用者が経験したトラブル

「 部屋も少し臭いがあり、清潔感は感じませんでした。
清掃に関するトラブルです。部屋が汚いと快適に過ごすことができませんね。
「システム不具合でダブルブッキングのトラブルに巻き込まれた。」
ダブルブッキングは一番困るトラブルといえるでしょう。野宿をするわけにはいきません。
また民泊で盗撮が行われ実際に検挙された事例もあります。

このようなトラブルに遭遇した場合、個人が運営する民泊だと適切な対応をしてくれるか不安な面があります。その点、法人運営の民泊なら代替の部屋を用意してくれますし、セキュリティ面も安心です。
トラブルが全く無いとは言えませんが、より安心して利用できる法人運営の民泊の利用がおすすめです。

それでも民泊は便利!利用者の口コミを紹介

これまで説明してきた民泊について、メリットや民泊ならではの利用法など、実際の利用者の口コミを交えながらご紹介します。

・「別荘の疑似体験」ができた」
ホテルとは違った非日常的な空間を楽しみたいという人や、別荘は持っていないけど体感してみたいという人にいいでしょう。家族で過ごすのもいいですし、一人でのんびり過ごすのもいいですね。

・「移住予定先の生活の先取りとして宿泊先を民泊にしてみた」
移住予定先の新しい生活に思いを馳せて、民泊に宿泊するのもいい使い方です。実際にその場所の生活の利便性を知ることもできるかもしれません。

・「女子旅に民泊を利用して楽しめた」
友達の家に宿泊しているかのように、夜通しのおしゃべりになるのも楽しいかもしれません。女子のみの宿泊になりますので、口コミや評判をよく調べて、安全面で優れた民泊を選ぶようにしましょう。

これらはごく一例で、民泊ならではの利用方法は他にもあります。民家タイプ、マンションタイプ、ホストのおもてなしが売りのところもあれば、素泊りタイプもあります。旅の目的や好みに応じて、ぜひ自分に合った民泊を見つけて旅を楽しんでください。

ま と め

一口に民泊といってもいろいろな形態があることをお分かりいただけたかと思います。これから民泊をやろうとしている方はまずどのようなコンセプトでやるのかを決めた方がいいでしょう。それによって適用される法律が大きく変わります。

民泊の利用を考えている方は、民泊は設備やセキュリティが整ったホテルとは違うということを認識しながら、上手に利用してみてください。

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